階段昇降機と取付け業者選びのポイントを解説!
高齢者や障がい者が階段の昇り降りを避けたくても、二階での生活を余儀なくされる場合もありますし、部屋に閉じこもらず積極的に家事をしたいという人もいます。階段での転倒や転落事故が多い中、階段昇降機があればそのリスクを減らすことができます。今回は、階段昇降機の取り付け業者選びに焦点を当てていきましょう。
階段昇降機設置は建築基準法に従う必要がある
高齢になってくると、家をバリアフリーにするためリフォームを検討する人が増えてきます。経年によって家も劣化してきますから、リノベーションや住み替えなどを考えるケースもあるでしょう。けれど階段昇降機を設置することで問題が解決するのなら、まず階段昇降機の設置を考えてみましょう。階段昇降機は法律上エレベーター、エスカレーターと同じ扱いとなるため、建築基準法に従う必要があります。
そのため建築基準法を満たした施行をしてもらう必要があり、たとえば昇降機の椅子が階段を昇降する時の速度は定められていて、定格速度は毎分9m以下となっています。他にも移動している時に何かにあたったりする危険を回避する装置、昇降中に乗っている人が転倒しないようにするシートベルトの取り付けなどが定められています。このような決まり事に沿ってしっかり施行してもらう必要性があります。そしていくつかの種類の中から自宅に設置可能なタイプを選びます。
建築基準法とは?
国民の生命や健康、財産が保護され、安全・快適に暮らせるように、建物や土地などに対して最低の基準を定めた法律を云います。対象となるのは建築物、建築物の敷地、設備、構造、用途などで、さまざまなルールが定められています。着工前に建築確認申請を出して建築確認をし、着工後の中間検査、完了検査を行います。
取付け業者を選ぶポイント
どのような施工であっても業者選びは慎重でなければならず、適した業者を見つけるのは難しいです。地元の工務店に相談したり、ネット検索をして業者を探したりできますが、階段昇降機を設置できる業者を選ばなければなりません。まず階段昇降機を販売したり設置している施工店やメーカーを探し、いくつかの業者で相見積もりを取るようにしましょう。
安心して施工を任せるには、実際施工を行う職人が豊富な知識と技術を持っていることが必須となります。それをある程度見極めるためにも何社かに見積もりを依頼するのが大切です。3社ほどピックアップし、快く下見に来てくれる業者は親切心があり好感が持てます。
さらに無料で見積もりを出して設置する階段や家の強度などをしっかりチェックし、疑問点にも正確な答えを出してくれる業者は信頼できます。製品をそのまま設置するのではなく、使いやすいようにカスタマイズしたり、細かな要望に応えてくれる業者が望ましいです。ちょっとした気配りが顧客にとっては有難く、業者を決定する際にプラスに働きます。
そして大事なのがアフターフォローで、どれくらいの保証期間があるのかを事前にリサーチしておきましょう。もちろんメーカー保証はありますが。何か問題点があった時でも直ぐに対応し、定期的なチェック体制が整っていることも選択するポイントの一つです。
自分に合う階段昇降機選びの基準
階段昇降機を詳細に知っている人は少なく、そのような製品があることすら知らない人もいるでしょう。相見積もりをして業者を決定すれば、次にどのようなタイプが自分の家に適しているかを決めていきます。家といっても屋外タイプと屋内タイプでは製品も施工方法も変わり、屋外の階段に設置する場合は、さびや腐食を防ぐため防塵、防滴の加工を施す必要があります。
屋内の場合は直線タイプと曲線タイプがあり、曲線タイプは複雑な形状のレール制作となって、カスタムメイドしなければならないので直線タイプよりも高額になります。直線タイプは設置が簡単で安価傾向にあり、曲線タイプの半額ほどの価格となっています。椅子の種類もいろいろで足載せタイプ、椅子の部分が広いタイプ、使用しない時に折り畳めるタイプなどがあります。自分の家にはどのタイプが適しているかを、業者としっかり話し合いましょう。また階段昇降機の種類の中には段差解消機という介護用リフトがあります。
段差解消機とは?
車椅子に乗ったまま段差を垂直移動できる介護用リフトのことで、テーブル部分に車椅子のまま乗り込み、ボタン操作で簡単に昇降ができます。ほとんど一人乗りですが、介助者と乗れるタイプもあります。階段昇降機を設置するには事前にリサーチしておくことが大事で、疑問点などがある場合は施工業者に相談し、自分に適した製品を設置しましょう。
高齢であっても「まだ自分は大丈夫」という人も少なくありません。階段を昇降するのがきつくなっていても我慢したり、2階にほとんど行かなくなった人もいるでしょう。思い切って階段昇降機を設置すれば安心感が生まれますし、「先を見越して設置して本当によかった」という日が必ずくるはずです。誰にでも老いはやってくるのですから、老後を快適に生きるためにも利便性を向上させることは大事です。